トップへ
田村研究室

マルチメディア論および演習

2009年度

2009
5/25

デジタル画像の階調数

階調数と色深度

人間の網膜が強く反応するのは,光の明暗である.まず光の明暗をデジタル化することを考える.明暗の両極端は,白と黒であり,その途中の灰色にあたる部分を中間色と呼ぶ.光の明暗をデジタイズする際の量子化数,つまり黒の値と白の値の間を一体いくつの中間色で分割するのかをデジタル画像の場合には特に階調数と呼ぶ.また,量子化サイズに対応する言葉は,つまり階調数と関係して通常その階調数分の色表現するのに必要なビット数のことを,デジタル画像の場合には色深度(color depth)と呼ぶ.例えば白と黒を含んで16段階なら4bit,256段階なら8bitである.

階調数が多ければ多いほど,人間が実際に目で見ているような,より自然な画像を再現できる.しかし,ある程度以上階調数が大きくなると,逆に人間の目の分解能を超えてしまい,階調数をそれ以上増やしても,人間の目では区別がつかなくなる段階がある.

わかりやすく,色情報を含まない光の明暗だけで表現した画像(グレースケール画像)で確認してみる.下の画像のスケールをクリックすると,サンプル画像の階調数を変化させることができる.また右下にあるのが黒から白まで中間色を並べた図である.

中間色を並べたとき,色と色の間に境目が見える場合,人間の目で十分中間色の区別がつくことを示している.中間色と中間色の間に見える境目のことを「マッハバンド」と呼ぶ.

階調を増やすとこの区別がつかなくなる(マッハバンドが消滅する)段階が,256階調といわれている.このため,通常のグレイスケール画像は8bit深度のグレースケールで表現されている.