概要
箕輪研究室では,シェル・空間構造物の構造安全性や可能性についての研究を行っています。シェル・空間構造物とは,柱のない大空間を構成する構造のことです。身近なところでは学校の体育館や野球場のドームなどがあります。これらの建築は,イベント時にはとても多くの人が集まります。さらに言えば,災害時には避難所としても使われる社会的に非常に重要な建築なのです。本研究室では,このような建築の安全性を向上させる方法ととともに,これらの建築を更に魅力的な空間にするための方法を提案することを目的に研究を行っています。 以下にテーマの一例を紹介します。
テーマ
積雪
- ラチスシェルの座屈耐力評価
- 積雪による被害を減らすためには先ずは座屈耐力を把握することが大切です。シェルの座屈荷重を理論的に求めたり,数値解析や実験により座屈の性状を分析したりします。
- ラチスシェルの有効剛性
- ラチスシェルには様々な網目形状があります。これらの剛性を明確にすることでその構造物の変形のし易さや座屈耐力を把握することが出来ます。
地震
- ラチスシェルの地震応答制御
- ラチスシェルは水平方向の地震動により鉛直方向に応答するなどの特徴を有します。これらの特徴を考慮した上で,高層ビルで実用化されている制振技術などを適用する方法を提案します。
- ラチスシェルの減衰評価
- 構造物の振動は減衰性能に大きく影響されます。しかし減衰は,接合方法や仕上げ材などの多くの要素によるため,設計時の設定が難しいのが現状です。
風
- 膜屋根の動特性評価
- 膜屋根は風により大きく変形しますが,その軽さゆえに他の構造物と同様に動特性を把握することは困難です。例えば,膜周辺の空気の重さを考慮する必要があることが分かってきています。
- 膜屋根のアクティブ制振
- アクティブ制振技術を用いることで,膜屋根の風による応答をその軽快なフォルムを損なわずに低減できないか検討しています。
形態創生
- 自由曲面シェルの形態創生
- 近年,自由な形状の構造物がたくさん建設されています。その形を決める上で,付加的な価値を持たせることが出来るのではないかと様々な検討をしています。
研系図
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