【事例演習7】 数式微分

この事例演習では,数式微分プログラムの考え方や基本的な処理方式について解説する.数式微分プログラムは,数式の微分値を計算するものではなく,文字列としての数式から,微分した数式を文字列操作によって導き出すプログラムである.例えば,図に示すように,数式を入力し,微分すべき変数を指定して,「微分実行」のボタンを押下すると,数式を微分した結果の数式が表示されるようなプログラムである.値でなく意味のある文字列を操作するプログラムは,コンピュータのもつ別の可能性を示すもので,人工知能技術を学ぶ上で基礎となる考え方を含んでいる.この事例演習を通して,数式処理の考え方とその背後にあるリスト処理の考え方を学んでゆく.

数式微分
(注)数式中に用いられている^記号はべき乗を意味している


【 数式微分の実現技術はどこに役立つか 】
  1. 数値でなく記号を処理する自然言語処理や数式処理の考え方を理解するのに適した技術である.
  2. 人工知能に不可欠なリスト処理の考え方を,データ構造としてのリスト構造にまでさかのぼって理解するのに適した技術である.
  3. 微分操作のみならず,数式積分や式の展開プログラムを再帰的な考え方で作成する上で基本となる技術である.

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