分かち書きで書いてみよう

わかちがきで かいて みよー

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 漢字やひらがな、カタカナで書かれた文章を、点訳するには、手順があります。
※点訳…漢字やひらがな、カタカナという文字(視読文字)で書かれた文章を、点字(触読文字)に訳す事。
  1. 先ず、日本語で書かれた、文章を用意します。
    当たり前のような気もしますが、自分で文章を考える人には、最も重要な事です。ここで、へんてこりんな日本語だと、点字にすると、さらに読みづらくなりますので、充分な注意が必要です。
    例)今日は、天気が良いです。澄み切った青空です。散歩にでも行きましょう。

  2. 次に、これを、「墨字」にします。
    墨字」というのは、日本語を「」で表記する事です。墨字へ変換するには、次の規則によりますので、覚えておきましょう。
    例)きょーわ、てんきがよいです。すみきったあおぞらです。さんぽにでもゆきましょー。

  3. さて次は、お待ちかねの「分かち書き」です。
    上の「墨字」。読みづらくないですか?
    この例ですと、一文が短いので、さほど関係ないかも知れませんが、例えば、例を、一文にまとめて、墨字にしてみると、こうなります。
    きょーわ、すみきったあおぞらでてんきがよいのでさんぽにでもゆきましょー。
    「もうやめて!」というくらい、読みづらいでしょ?小説なんかだと、これが延々と続くかと思うと、思っただけで、読む気も失せてしまいます。
    そこで、次のように書いたら、どうでしょうか。読みやすくありませんか?
    きょーわ、 すみきった あおぞらで てんきが よいので さんぽに でも ゆきましょー。
    これが、「分かち書き」です。
    例)きょーわ、 てんきが よいです。 すみきった あおぞら です。 さんぽに でも ゆきましょー。

  4. そして、最後に、分かち書きした墨字を、点字にして完成です。
    例)
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さぁ、分かち書きを楽しもう!


分かち書きの最たるものは、幼児向けの絵本などが、それです。
一度手に取って見てみてください。
漢字を全く知らない子どもが、絵本を読むには、「ひらがなのみ」なのですから、分かち書きをしてあげないと、たどたどしく読む事ができても、それを理解する事はほとんど無理でしょう。
点字もこれと同じで、「かな(音)しかない」点字で書くには、同様に、分かち書きが、絶対必要なのです。
子どもの気持ちになって、分かち書きを楽しみましょう。(^_^)
「分かち書き」の規則などは、本が出ているそうなので、詳しく知りたい人は、そのような本を探して、読んでみてください。
読みやすく、理解し易く
型にはまった規則はもちろんですが、最も大事な事は、その文章に、そして読んでくれる人にどれだけの「愛情」を注げる事ができるか、だと私は思います。

点訳作業は、この分かち書きした墨字に書き直しする事が、最も大変な作業となります。
最近の点訳は、コンピュータを利用した「パソコン点訳」が主流ですが、この分かち書きだけは、日本語の性格上、完璧な自動処理化する事は難しく、未だに人間の手を借りなければできないのが現状です。

Yoshioka-@=@- ( yoshioka@nit.ac.jp )